今は右包丁と変わらないですが、昔は左包丁を作る人がいなかったから作りが酷かったですね。
左包丁と右包丁の違いは刃の付け方が逆になってるんですね。
包丁は「霞」と「本焼」に分かれます。
全て鋼で出来ているのが本焼で硬くて高価です。
霞は軟鉄と鋼を合わせて、下側の刃の部分だけが鋼でつくられています。
江戸前の刺身包丁は刃先が四角い蛸引き包丁です。
30年砥いで使い続けるとだんだん短くなってきます。
霞は15分くらいで砥げますが、本焼は硬くて3~40分かかるから好きではありません。
職人の質は包丁などの道具を見れば分かりますし、
店の質はまな板や砥石を見ると分かります。
砥石は使っていくと真ん中がへこんでいきます。
砥石まで常にまっすぐにしていれば質の高いお店だと思います。
私は砥石をまっすぐに整える為に、早朝の誰もいない時間に道路の溝で100メートルくらい
雑巾がけするように砥石を削っていましたが、70歳を超えるともう辛くてね。
5年くらい前に6000番のダイヤモンドの砥石を見つけたんです。
これで夜中に砥石を雑巾がけしなくてよくなりました。